おはようございます。百井桃太です。
今日は「僕の奇特な友人達」シリーズの第二弾です。第一弾はこちら
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今回は僕の大学の友人です。
僕は大学の頃、友人達とバンドをやっておりました。その日もいつものライブハウスでライブをこなし、帰りにジョイフルで大学生なりのささやかな打ち上げをやっていました。車だったので特に酒を飲んでいたわけでもなく、馬鹿騒ぎもせずにただ食事をしていただけです。
そんな折、ふと見るとボーカルのMが神妙な顔をしていました。
僕「え、どうかした?」
M「いや、そういやみんなに話さないかんことがあってさ。言ってなかったんやけど」
バンドメンバー「え、何?」
…
…
…
永遠にも思える一瞬の沈黙のあと、Mは口を開きました。
M「実は俺今日、ライブハウスでウ●コ漏らしたんよ」
メンバー一同「えっ……」
メンバー全員が絶句しました。
言っておきますが、僕たちは中学生バンドではありません。二十歳を超えたもう大人と呼んでもいい大学生のバンドです。(いや、中学生でもウ●コを漏らすなんて事は日常茶飯事ではありませんが)ましてやライブハウスで?ロックの聖域で?ウ●コを漏らす?成人が?大学生が?大人にも、大学生にも、ロッカーの風上にもおけない人間。
いや、しかしちょっと待て。ミステリ好きの僕は驚きのすぐ後に疑問を抱きました。
Mを見てみる。服装には変化はありません。これは昼に出会ってリハを経てライブを終え打ち上げに来た今まで全て一貫しています。注意深く見ますが、少しも変化はありません。
そして今もですが、異臭を感じる事はないし、ズボンが汚れている様子もない。どういう事だ?これは打ち上げを盛り上げるためのギャグなのか?いや、それにしても大学生がウ●コ漏らしたという嘘を盛り上がると思って打ち上げでぶち込んでくるのはそれはそれでやばくないか?と思いましたが、どうやらふざけている様子はない。
僕「え、てかいつ漏らした?」
M「ライブ前よ。ほら、トイレで会ったやろ?あん時」
記憶を辿ると、確かにライブ前僕はMとトイレで鉢合わせていました。その時は確か僕がトイレに入ると二つしかない小便器の片方にMがいて僕も残りの小便器を使ったのです。
僕「ああ、会ったけど……。でもあん時は小やったやろ?それがなんでウ●コ漏らす事になるん?」
M「話せば長くなるが……」
そこからMは訥々と一連の事件の経緯を語り始めました。
ライブ前、ライブハウスのトイレにて、僕が小便器の横に来た時、ひょうきんがウリのMはこう思ったそうです。
(ここで屁をかまして、一発ウケを取ってやろう)
ちょうど腹部に屁があるような感覚があったMは小学生レベルのユーモアセンスでそう考えたらしいのです。
そして力んだ時、
モリッ
想像していた「プゥ〜」という可愛い音ではなく、圧倒的質感の「モリッ」という音とともに明らかに屁ではないどっしりしたものがお尻の穴から飛び出したのです。←まずそれが信じられない気持ちはありますが置いておきましょう。
(まずい!!)
咄嗟にMはズボンの中に手を突っ込み、なんと、どっしりしたものを手で鷲掴みにしました。
お尻から出たどっしりベイビーがパンツに付着する直前に手で支えたのです。
この判断力には恐れ入りました。かの敏腕経営者松下幸之助でもできるかどうか怪しいリスクを省みない漢の判断です。
だって、「もりり」とどっしりベイビーが体から生み出されてパンツに付着するまでですよ?もう本当に1〜2秒の世界ですよ?1〜2秒で自分のものとはいえウ●コを生で鷲掴むなんて判断できますか?少なくとも僕には無理です。
そしてうさぎのウ●コみたいなポロポロチョコベイビー風ならまだしも、その時お尻から出てきたのは手のひらいっぱいの特盛りウ●コだったというので驚嘆です。屁と間違えて特盛ウ●コを突破させてしまう無能な肛門にも驚嘆です。
とにもかくにもこれがウ●コを漏らしたのに、服も着替えず、ズボンも洗わず済んだトリックです。金田一やコナンも真っ青の奇想です。
その一連の騒動が起こっているときには僕はもう既に用を足し終え、トイレを出ていたそうです。とりあえずトイレに一人になったM。右手には特盛りの炊きたてホヤホヤウ●コ。ある意味ミッションインポッシブルの終盤よりも手に汗握る展開。
とりあえずMは個室に入って右手にふてぶてしく佇立するウ●コを便器に投げつけました。自身の一人前のウ●コを握った経験がないのでわかりませんが、どういう心境なんでしょうね。
自分のウ●コを投げつけて、掌に付着した汚物を必死に払おうとする時って。もうゴリラ以外の何者でもないもんね。今日びゴリラでも上品になってきてるし、なかなかウ●コ投げるのなんかお目にかかることないのに、21世紀に人間が自分のウ●コを素手で握ってぶん投げるって本当に、なに?
そしてそのトイレの小さな洗面台で残ったウ●コを洗い流したとのこと。その話の時に別のメンバーが「通りで……途中トイレ入ったら尋常じゃなくウ●コ臭かったんやけど、洗面台でウ●コがっつり付いた手を洗ったなら腑に落ちるわ」としみじみ言いました。
それから手にゴリゴリのウ●コ臭を付けたMは(ライブハウスのトイレには石鹸がなかった。あったとしても流石にそれを使うような馬鹿げたことはしなかったと信じたい)コンビニエンスストアのトイレでプッシュ式の泡石鹸で丁寧に手を洗い、何食わぬ顔で神聖なる舞台に上がり、ロックを叫んだとのこと。
二度とライブハウスの敷居を跨ぐな。そして二度とロックを語るなよ。
M「いやでもさ、これが本当のロックよな」
なんでも「ロック」で片付けんなよ
思うんですが、バンドマンとか特になんでも「ロック」で片付けるやつがいますけど、「ロック」ってそんなに寛大なもんじゃねーよと思うんですよね。
セックス・ピストルズとかはバンドとして危険を顧みずイギリス王政を批判したりして本当に「ロック」な感じですけど、例えば「寝坊して学校を休んだ」とか「二股をかけた」とか「ウ●コを鷲掴みにした」とかそーいうのはただのお前の怠慢やら倫理の欠如やら肛門管理の未熟さの露呈であって、ロックからしても想定の範囲外じゃないですか。
ロックも「え?それも俺の一部として扱われんの?」って憤ってると思うのですよ。なんでもかんでも「ロック」とか言って「ロック」を自己欺瞞の道具にするのはやめてちゃんと自分の行いには責任を持ちましょうね。
(※セックス・ピストルズは正確にはパンクですけど便宜上言ってます。ちゃんとピストルズのことは理解しておりますのでガチファンの方は荒らさないでください)
しかし、本件については漢気の面では驚かされましたし、本当に一瞬感動のようなものも味わってしまいました。
何度も言いますけど自分のウ●コを躊躇なく生で手摑みできます?
そしてあなたのこれからの人生でそんなことありますか?おそらく日本人の99%は経験せずに一生を終えると思います。「笑っていいとも」にMが観覧に行っているとき、テレフォンショッキングの100分の1アンケートで「自分のウ●コを手掴みしたことがある」という質問が来たら、間違いなくゲストの方はいいとも限定ストラップがもらえたはずです。1000分の1アンケートでも多分いけるでしょう。
僕もいつか「友達が小便器の隣に来たときに、ウケを取ろうと思って屁をかまそうとしたらまさかまさか!思わずもりっと実が出てしまったのですが!!の巻」という場面に立たされたときには勇気を持って自分のウ●コを鷲掴みにしたいと思います。
自分の人生です。運もウ●コも自らの手で掴んでいきましょう。
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