アウトドア素人よ、潮干狩りをなめるでない

夫婦
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おはようございます。百井桃太です。

 

最近といえば家にいることも増え、話題といえばコロナの事ばかりです。そんな中、外出自粛の流れに伴って閉鎖となった潮干狩りスポットに、暇を持て余した人達が勝手に入っていき、潮干狩りをしていたというニュースを目にしました。

 

ううむ、やっぱりどんな状況でもそういう人はいるよなぁ、と思いながら数年前初めて潮干狩りに行った時の苦い思い出が蘇りました。

 

今日はその潮干狩りは全然イージーモードじゃない(当社比)をいうお話を。

 

 

あれは確か5〜6年前くらいのGWだったと記憶しています。当時、まだ恋人だった現嫁と「たまにはした事ないことしてみようや」と行楽を漁っており見つけたのが「潮干狩り」でした。確かテレビで特集が流れており、僕の住んでいる県にも潮干狩りスポットがあったので挑戦しようという流れになったのです。

 

ただの潮干狩りであれば「スコップで土を何時間も掘り返すだけやろ?」「そしてリターンがちっこい貝?腹の足しにもならん?牡蠣とか取れるならまだしも……」という多分潮干狩り好きの女性に言ったら殴られるであろう思想を抱いているTHE潮干狩り舐めプの僕ですが、当時「マテ貝」なるものの存在を知りあまりに面白そうで俄然やる気になりました。

 

当時見た動画に似たものがあったのでまずはこちらをご覧ください。

 

砂浜に無数に開いた穴に塩を入れると・・・

 

これに似た映像を見た当時の僕は感動しました。

 

「えっ?穴に塩入れたら飛び出してくるって何そのファンタジー!!?何その非日常体験!?」

 

穴から飛び出す非日常……。それをどうにかこの目で拝みたい、この手で掴み取りたい。そんな童心にも似た欲望を抱き、マテ貝狩りメインの潮干狩りに出発することになりました。

当日、まずは百均で買い出しからスタート。必要なものは砂浜をほじくる熊手と、貝を入れとくバケツと、ビニール袋、今日のメイン塩を入れとくドレッシング用容器

 

嫁「よし、これでいいかね」

 

必要素材をかごに詰め込んでこちらに確認してくる嫁に対して僕はまるでベテランの風格で言いました。

 

僕「塩はどのくらい買ったのだね?」

嫁「1kgやけど……」

 

僕「足りぬ!!!!」

 

そうです。今回の潮干狩りの主役はマテ貝、そしてそのマテ貝を獲るのに一番必要なのは「塩」なのです。動画を見ていただければわかるかと思いますが、マテ貝がいそうな穴さえ見つければ、あとはそこに塩をぶち込むだけで向こうから無防備な姿を晒してくれるのです。そうまさに塩さえあればなんでもできる。高血圧のアントニオ猪木状態(?)です。

逆にいえば塩がなくなってしまうともう何もできなくなる。僕の恐れはそれだけでした。

 

僕「たった1kgしか買わなくて、マテ貝が大量に取れてしまい塩が足りなくなったらどうするのだね? 目の前にマテ貝がぷくぷく呼吸している穴が無数に乱立しているのにただ指を咥えて眺めているのかね? 他の人に塩借りるとかそんな惨めなことするのかね?」

 

嫁「そんないらんと思うけどね。まぁ、安いからいいけどさ」

 

そんなこんなで塩を2kg購入し、道具も各種購入し、いざ理想郷ーユートピアー(潮干狩り会場)へ……。

到着したのは正午くらいで、やはり人はたくさんいました。早速道具を下ろし、ポジショニングし、塩を容器に移していく作業開始。二人で塩をパンパンに入れたドレッシング容器を持ち、闊歩することに。

 

嫁「あっ!穴あるやん!!」

 

叫ぶ嫁。

 

僕「なんだと!」

 

確かに砂浜に小さな穴が空いており、そこから空気が漏れているように見える。探索を始めてたったの数分で例のマテ貝の棲家である「ポコポコ穴」を発見したのです。

 

僕「うおおおお!!!塩!!!塩かける!!!」

 

漫画に出てくる「人間コロス」みたいなカタカナ語使う原住民レベルの語彙力で僕は穴に取り付き、すぐに塩をかけ始めました。出てこい、マテ貝出てこい。パチンコ台に食らい付き「出ろ出ろ」と念仏のように唱え続けるパチンコ趣味の方の気持ちがこの時ばかりは少しわかった気がしました。

 

……

 

 

……

 

 

 

……

 

しかし。

 

待てど暮らせどお目当のマテ貝が出てくる気配はありません。

えっ……?

 

穴ドォォォォン!

塩パァァァァンッ!

マテ貝ニョキ〜ィ!

右手でグワァーッッ!

 

の簡単4STEPでマテ貝が受け取れるんじゃないのかい……?迷惑メールでよく来る10億円受け取る方法並みの簡単STEPじゃないのかい……?ただただひたすら穴を眺めていますが2STEP目からの「塩パァァァァンッ!」から一向に進みません。

 

嫁「てかさ……塩かけすぎてマテ貝出てこれんのやない」

僕「はっ」

 

嫁に言われて気づきました。目の前の穴を覆い隠すくらいに積まれた塩の山。確かに塩をかけすぎてマテ貝が出てこれないのかもしれない。慌てて塩の山をどかしまたじっと穴を眺めていましたがやはり出てくる気配はなし。

 

嫁「もう既にここのマテ貝は狩られとったんやない? 別のところ行こうや」

 

確かに。思って少し歩くと……

 

穴ドォォォォン!

 

穴ドォォォォン!

 

穴、穴、穴ドォォォォンドォォォォンドォォォォン!

 

至る所にポコポコ穴。見渡す限り穴、穴、穴。なんだここは?マテ貝界のスクランブル交差点か?こんだけ穴があればもう簡単4STEPやり放題じゃねえか。

 

「今日はマテ貝の盛り合わせだぞ〜〜〜い」と僕は早速穴にかじりつき、塩を投入し始めました。塩をかけてから出てくるまでのタイムラグを利用して別の穴にもどんどん塩をかけて行きました。さぁ出てこい出てこい。僕はヤンキー座りで高速徘徊しながらひたすら塩をかけた各穴を見回り続けました。

 

 

 

 

 

穴を見つめ続け10分経過、変化ゼロ

 

嫁「全く出てこんやん」

 

僕「ま、まだまだ別の穴がある!どんどん行きましょう」

 

 

 

そして穴を見つけ塩を投入穴を見つめる諦め移動するの4STEPを4時間繰り返した

 

 

嫁「何この一日」

僕「こっちが聞きたいわ。何がマテ貝や、大人をばかにするのもいい加減にしろ」

嫁「塩まだ1kg残っとるけど(半ギレ)」

僕「ま、まぁ塩はいくらあっても困らないから……」

 

 

結局、半日かけて、僕は海から採られ店頭に並んでいた塩1kgをまた海に還すという全く意味のわからない作業を繰り返したのです。僕は平成のねずみ小僧か?

 

マテ貝は全く採れませんでしたが、今日は潮干狩りに行くということを宣言しており収穫を持って嫁の実家で食事をすることになっていました。やばい、この状況はやばすぎる。せめて何か一つでも誇れるものを……。

 

そんな焦りから泣きそうな顔をして熊手で砂浜を荒らし続けていると、ゴロッと手の平に乗るくらいの大きさの貝が出てきました。

 

僕「おおお!大物出た!!」

 

嫁「まじ!おお、でかいやん!良かった、これで帰れるな」

 

なんか緑色が混じったこげ茶と灰色みたいな見た目はブサイクな貝でしたが、でかいし、「良薬口に苦し」(?)とも言うし味と見た目は関係ない。だいたいセオリーでいけばやばそうな見た目のやつに限って美味かったりするもんだよ、と笑いながら嫁の実家に向かいました。

嫁の実家に着き、とりあえずこのデカブサイクな貝がなんなのか調べてみようということになりました。ネットサーフィンをひたすらにしていると……。

 

嫁「あっ、これじゃない?」

僕「おお、まさしくこれやん!で、味は?」

 

 

「身は固く、味は悪い」

 

 

最悪じゃねーか

 

ならせめて見た目くらいは美しくあれよ。ブサイクで性格も悪いとかそんなんもうダメだろ。

 

結局、僕はそんな風に紹介されていてしかも緑色が混じっているデカブサ貝が恐ろしく口にすることができなかったので「身は固く、味は悪い」という特徴を伏せてお義父さんに食べてもらいました。我ながら最悪の娘の旦那だな。

 

というわけで潮干狩りというのは行って適当にやってれば誰でも貝が採れるものではないという注意喚起です。皆さんもクソ暑い砂浜で塩を海に還し何もない穴を眺め続けるという老後ですらノーサンキューな最悪な休日の過ごし方をしないようご注意ください。

 

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