今回は越川慎司さんの「AI分析でわかったトップ5%社員の習慣」という本の書評です。
2020年9月に発売されたばかりの本書は、タイトル通り25社もの企業の協力を基に、仕事において著しい成果を出している=仕事ができる「5%の社員」とその他「95%の社員」の働き方・思考法を専門家とAIで徹底分析したというビジネス書。
「シンプルな行動と思考のルールをつかんでしまえば、それは再現できる可能性が十分にある」
著者の越川氏が語る通り、「5%社員」の思考のエッセンスを抽出した本書を読み、思考のルールを把握し、行動に繋げられれば、あなたのビジネスパーソンとしての人生もきっと変わると思います。
少なくとも僕は本書を読んで、自分の仕事に役立てたり、考えを改められる部分を見つけることができました。
こんな方におすすめ!
■仕事ができるようになりたいけど、何をすれば良いのかわからない方
■今の自分が「仕事ができる人」なのか知りたい方
■仕事ができる人の思考法に触れたい方
本書のおすすめポイント
結果が明確でわかりやすい
こういった分析系の本にありがちな欠点が、「小難しくなりがち」だということ。
「分析」を徹底するともちろん内容としては深くなるのですが、数値やら傾向やらが複雑になりすぎて、読んでいるうちに眠くなってしまうということになりがちです。
しかし本書はまず分析の結果が誰にでもわかりやすく明確に書かれていますので、情報が頭に入って来やすいです。
例えば
「5%社員」の73%が「意識変革」はしない
本書の目次にあるテーマの一つですが、これを見るだけでまず「7割以上の人が」「意識変革」「しない」というテーマがスッと入ってきませんか?
本書はこういった形でタイトルが工夫され、シンプルが追求されているので、頭に残りやすいと感じました。
内容の再現性が高い
実用書、ビジネス本というのはもちろん「読まない」よりも「読む」方がいいのは間違いないですが、読んだだけではあくまで情報にすぎません。それらの情報を体現し、行動に移すことで初めて本が自分の人生に役立つと言えるのではないかと思います。
そういった視点から見て、優れた本というのは「情報を人生に役立てるためにどうすれば良いか」までが示されている本ではないでしょうか。
本書では情報を示すだけでなく、行動を変えるために何をすれば良いかわかりやすく示されています。
例えば「5%社員」の思考と行動について。
止まって考える時間を設けている
こう書いてあれば、「止まって考える時間を設ける」という行動の指針が示されているので、その行動を真似することはしやすいですよね。
他にも「習慣」「ルーティーン」「発言」などが示されているので、真似をするだけで行動が変えられるようになっています。
また、本書では「5%社員」だけでなく残りの「95%社員」の行動にもスポットを当てているので、「良い行動をする」といった方向性の行動変革ではなく、「悪い行動をしない」ことも意識することができます。
「5%社員」の行動はわかったけどなかなか自分で行うのはレベルが高いな、と思う人でもまずは「95%社員と同じ行動をやってしまっていたなぁ。今度からはしないようにしよう」と少しハードルを下げた形で行動を変えることができるのです。
ビジネスに関するさまざまな悩みにアプローチしている
本書のテーマは優秀な「5%社員」の分析ですが、その中でもビジネスに関するさまざまな問題についてアプローチしているのが個人的には良いなと思いました。
ひとえに「ビジネス」といってもそこから生まれる問題は多種多様です。
例えば
「自分の仕事が遅い」
という悩みと
「部下が本音を話してくれない」
という悩みは同じ「ビジネス」に関しての悩みですが、その毛色は全く異なります。
「効率化」「問題解決」「マインドセット」「コミュニケーション」「目標達成」「部下育成」「チームマネジメント」などビジネスに関しては求められるものが多岐にわたることが要因ですが、本書は「5%社員」を分析しながら、それらビジネスにおけるさまざまなジャンルをカバーしています。
そのため、
「自分の悩みは本書で解決するのだろうか?」とお悩みの方や
もしくは
「特にこれといった悩みがあるわけではないんだけど、今よりももっと仕事で活躍したい」という方
にとっては仕事に求められるスキルを幅広くカバーできるのでおすすめです。
感想・書評
個人的に役立ったなと思う箇所を一部分紹介させていただきます。
95%の社員は作業効率が上がったことに満足する
これは「5%社員」ではなく残りの「95%社員の習慣」で解説されていたものです。
本書には続けてこう書いてあります。
いくら資料作成が得意で1時間に何10枚も資料が作れても、それが使われなければ意味がありません。「95%社員」の一般社員の中には、仕事をたくさんこなすことを「効率がいい」と勘違いしている人がいます。
この部分は完全に自分に当てはまっているなと痛感させられました(笑)
多くのタスクをこなしている、より資料を作り込んでいる、問題解決に向けてさまざまな可能性を思考している……etc
与えられた仕事なので、そこに全力を投じて最高のものを作り上げなければならない、という感覚が先行しすぎていて「結果としてその作業は会社にとってのプラスに結びついたのか?」を考える意識が足りていなかったように思います。
自分もまだまだだな、と思わせてもらいました(笑)
ちなみに、そういった「95%社員」に対して「5%社員」がどんな考え方を持っているのかは是非とも本書でお確かめください。
仕事でもっと成長したい方、仕事で評価されている人の考えを知りたい方は、是非ともご一読ください。
コメント