珈琲の感想で古今東西やっても2語で終わる男の話

日常
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おはようございます。百井桃太です。

 

突然ですが、僕は多趣味な人間だと自負してします。全く自慢ではないですが、好奇心が強いせいかいろんなことに興味を待ち、思い立ったらすぐやってみる性格なので半端な趣味が増えたのだろうと思います。

そんな僕は今もなるべく多くの興味を持とうと趣味を増やし続けています。そしてつい先日、今年僕が注力したい趣味が決まりました。

 

 

ズバリ、珈琲です。

 

珈琲、コーヒー、COFFEE。なんというおしゃれな響きなのでしょうか。もうコーヒーって誰から見てもおしゃれじゃないですか?そしてそんなおしゃれなコーヒーに詳しい人間は、とどのつまりキングオブおしゃれじゃないですか?そんな動機が僕をコーヒーの道へと突き動かしました。(驚くほど不純)

 

よし、とりあえず美味いコーヒーを飲んでみようじゃないか。コーヒーの道の第一歩としてまず僕はそう思いました。ほら、一流シェフとかなんかの一流の人とかの波乱万丈の人生見てもだいたい最初はプロの技に感銘を受けたみたいなやつから始まるじゃないですか。「なんだ?この味は、と全身に稲妻が走りました」とか「有り得ないプレーで全身に稲妻が走りました」とか。ならば、僕もまずは美味いコーヒーを飲んで全身に稲妻を感じてコーヒー道へのモチベーションを上げるべきだと思ったのです。余談ですが僕は1kg980円という訳ありのブロック肉か?という値段のゴリゴリ庶民派コーヒーを毎朝飲んでいます。

 

さぁ、名店に行こう。

 

幸い、調べてみるとそう遠くないところにテレビにも出たことがあるという名店がありました。行くっきゃねえ。即、嫁と出発しました。

着いてみると、めちゃめちゃおしゃれな外見。

 

ほう……やはりコーヒー=シャレオツという僕の見解は間違っていなかったようだ。店内も木目調で統一されていてシャレオツ。店員さんたちもシャレオツ。そこで売ってあるコーヒー器具、本とかもシャレオツ。そしてイコール、休日そこにきている僕もシャレオツ。

 

とりあえず慣れない感じで席に着き、メニュー表を見てみることに。そこにはたくさんのコーヒーの種類が。

 

エチオピア

ブラジル

ニカラグア

コスタリカ

コロンビア

ニューギニア

グアテマラ

ペルー

エチオピア

ケニア

スマトラ

インド

 

地図帳かい?

 

なに?コーヒーの品名って地名なの?全く知りませんでした。

ブラックとかモカとかエメマンとかブルーマウンテンとかスペシャルブレンドとかそんなのかと思ってたので戸惑いました(ずぶの素人)

 

どれにして良いのか全くわからなかったのですが、「ケニア」の説明を見てみるとこうありました。

 

「世界最高クラスの品質を誇るケニアのオークションロットコーヒー。その芳醇な香りとリッチな味わいはまさにキングオブコーヒー。」

 

コーヒー=おしゃれ

キングオブコーヒー=キングオブおしゃれ

キングオブコーヒーを飲む僕=キングオブおしゃれ

 

僕「ケニアでお願いします」

 

とりあえず他の言葉の意味は全くわかりませんが、キングの三文字だけが僕を揺り動かしました。そして嫁はそのコーヒー店のオリジナルブレンドを注文。

え?コーヒーってこんなに時間かかるの?という時間を経て遂にコーヒー登場。

 

嫁「コーヒーは香りって言うやん? ちょっと飲む前に香りを楽しもうや」

僕「なるほど……一理ある」

 

クンカクンカクンカクンカ……

 

僕「ンッン〜……これは芳醇」

 

そして今度は嫁のカップを手に取り、クンカクンカクンカクンカ……

 

僕「ン〜……芳醇な香りやなぁ……」

 

そして遂に「キングオブコーヒー」を味わう……!!

ゴクッ。

 

僕「アッ、苦ぁい」

 

嫁「えっ?」

 

僕の口から無意識に溢れたあまりに稚拙な感想に嫁も僕自身も驚きました。えっ、我ながら初めてコーヒーを飲んだ小三なの?

 

いや違うんです。多分、家で毎朝飲んでるコーヒーは貧乏性が祟ってべらぼうに薄いコーヒになっていたんです。だからめちゃめちゃ濃い(というかこれが普通の濃さなのだろう)コーヒーを飲んで「苦ぁい」というアラサー男の口からは聞けるはずのないセリフが飛び出してしまったのです。

嫁の「お前に喫茶店でコーヒーを飲む資格が本当にあるのか?」というギラギラした視線を見て見ぬ振りし、もう一口飲みました。

 

嫁「どう?」

僕「ン〜、これは芳醇……」

 

嫁「さっきから『芳醇』しか言ってなくない?」

 

グサッ!!!

超絶鋭利なジャックナイフが僕の心に突き立てられました。

 

そして、ここで思い出しました。中学生くらいの時、餃子を食う場面で酢醤油を作ろうと思って酢と間違えて料理酒で酢醤油ならぬ酒醤油を作ったこと。そして何か違和感を覚えながらもその酒醤油で餃子を食っていたこと。叔父があとから餃子に手をつけた瞬間「うわっ!!なんやこれ!!」とペッペッとやり始めたこと。最終的に酒醤油だったことが分かり、その酒醤油で餃子を食い続けていた僕は「お前、舌腐ってんじゃないのか」と罵倒されたこと。「信じてくれ、確かに『何かいつもとは違う。変な味がする』とは思っていたんだ」と弁解し続けたけど「いや、酢と酒が違うって違和感とかいうレベルじゃねえやろ」と一蹴され、結局味覚障害扱いされ続けたこと。

 

そうか……僕は重度の味覚オンチだったのだ。酢と酒の違いを「なんかいつもと違うな」くらいにしか思わない人間にコーヒーの味の違いなどわかるはずがなかろうなのです。そして連呼していましたが「芳醇」の意味も当然よくわかっていません。味もよくわからないし芳醇もわからない。僕はおしゃれコーヒー店の敷居を跨ぐことを許されざる人間だったのです。

 

何も言い返せず「そっちはどうなの?」と嫁に振りました。こうなったらもう嫁に任せるしかない。

嫁はスペシャルブレンド。一口飲んでしばらく舌の上で味わい

 

嫁「ん〜……芳醇な香りと爽やかなコクが……」

 

結局「芳醇」頼りじゃねえか

 

あと「コク」もコーヒーの代名詞なんですよ。エビでいうところの「プリプリ」、フルーツでいうところの「ジューシー」で、思考停止しといてもとりあえず言っとけば外さない感想なんですよ。いや冷静に考えてみてください。「コク」ってなんだよ?いやそりゃ通の方はわかるのかもしれませんけど、少なくとも僕には「コクまろ」のカレーのコクくらいしか分かりません。

 

そしてそのあとの感想の出ないこと出ないこと。

 

いやぁ、家の1kg980円の珈琲との違いは流石にわかるんですよ!?なんか味が違うし、「ああ、いつも家で飲んでるやつは色と苦味がついただけのお湯だったんだな」ってのはなんとなくわかるんですが、この目の前の1杯500円のコーヒーが果たして「美味しい」ものなのかがわからない。苦味はあるし、形容しがたいいろんな味がするのもわかる。でもこれは「美味しい」のか……?「芳醇」「コク」でネタが切れたせいか、あとはなんと言って良いのかわからず「わかってますよ。このコーヒーの良さはわかってますよぉ〜」という玄人顔を貼り付け、「んん〜」とだけ言い続けるずぶの素人夫婦。これじゃあ珈琲の古今東西やっても3個目は出ない。

 

とりあえずメニュー表の説明のとこを見てみてコーヒーの表現を増やそうと思ったのですが……

 

滑らかさと豊かなコク

ほっこりしたコク

優しいコク

深いコク

柔らかなコクと甘味

 

コクの氾濫

 

これを書きながら「コク」がゲシュタルト崩壊してきました。まじでみんなよく言ってるけど「コク」って分かってて言ってるんですか?僕はここにきて、この約30年間、いかに自分が適当に「コク」と言ってたかが分かりました。

 

本当に「コク」しかないのか?他に何か分かりやすい表現で説明してある豆はないのか?そう思い探し続けていると

コクとキレのある深煎りの定番

 

出ました「キレ」

 

「コク」と同じくらい使われていてよくよく考えると「コク」と同じくらいわからないのが「キレ」です。僕のわかる「キレ」はおしっこのキレとパワプロの特殊能力の変化球のキレだけです。

 

というわけでおしゃれコーヒー店デビューで恥をかいたわけですが、これはまず誰もが通る第一歩。ここから僕のコーヒー道は始まるのです。まずはそこで色々な国も豆を買ってみたので飲み比べていきます。そして好きなコーヒーを見つけるところから始めていきたいと思います。

 

これから数ヶ月してコーヒーの記事が全く上がらなかったら、挫折して今も1kg980円のコーヒーを啜っているのだなと察してください。皆さんのオススメの趣味もぜひ教えてください。

 

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