名探偵MOMO 弁当箱の中の殺意(マーダラス・インテンション)

夫婦
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おはようございます。百井桃太です。

 

タイトルについて。「弁当箱の中の殺意」と書いていますが、弁当箱はワッパと呼んで「ワッパの中のマーダラス・インテンション」と呼びます。

 

劇場版名探偵コナンか?

 

本格ミステリの短編小説感がゴリゴリにじみ出ていますね。

 

では早速、いきましょう。皆さんも推理しながら読んでください。

 

 

あれは先日、昼休みに愛妻弁当を食べているときのことでした。

 

いつものようにYahooニュースを見ながら黙々と弁当を食べておりました。おかずに手を伸ばし、王道の流れでご飯を流し込む。その時でした。

 

僕「痛ッッッ!!?」

 

喉に激痛が走りました。

 

リゾットの「メタリカ」からスタンド攻撃受けて喉からハサミが飛び出したんかという激痛。(わからない方はジョジョの5部を読んでください)そして異物が喉に詰まったままになっているのか激痛が続く。

 

こういう場合、焦ってはいけない。まず大事なのは状況把握である。

 

何が起こったのか弁当の中を見渡しました。

 

犯人はこの中にいる!!!

 

副菜はほうれん草の胡麻和え。
こいつか?いや、でもこいつに人の肌より硬い部分なんてないだろう。別の何かが混入しているという可能性は捨てきれないが、ほうれん草単体では犯人にはなり得ない。

 

さらにニンジンのヤツ(何かはわからない)も同様。激痛が走るほど硬い部分などあろうはずもない。

 

いや、違う。

 

やはり今一口飲み込んだときに口の中に入っていた奴らだ。ほうれん草とニンジンは口の中にはいなかった。つまりアリバイがある。彼らとは別の、私に口内に入っていたモノたち。その中に犯人がいるのだ。あの時口に入っていた奴らは肉、味玉、ご飯の三人。(一回にどんだけ口に詰め込んでいるのかとかいうツッコミはやめてください。たくさん口に入れてたくさん飲み込みたい派なんです)

 

まずは肉。

 

普通に考えればこいつは至極怪しい。肉には骨という部分が付いており、かなり硬い。言うまでもなく間違って飲み込めば喉に激痛が走るだろう。思いながら僕は弁当箱に残った肉を見た。いや……これは豚バラの薄切りだ。向こうが透けて見えるあたり特売品だろう。ここに骨が残っていることは考えづらい。

 

 

違うか。と思いながら今度は味玉を見た。味玉には硬い部分などないだろう。

 

 

……いや、待てよ。

 

そうか! わかったぞ!(ここで真っ暗なバックに稲妻が走る)

 

 

たまごにも硬い部分がある!それはだ!殻が喉に引っ掛かったんだ!!

 

 

と思って味玉見るけど殻なんて付いてるわけもナーシ

 

 

「はにゃ?」と首を傾げましたが、味玉ってのは漬け込んでるんで殻がそのまま付いたままのわけがないんですよね。漬け込んでる時点でカケラが付いていたとしても剥がれるか、弁当に入れる段階で気づくはずです。それにたまごの殻は咀嚼時点で大量に口の中にものを入れる僕の食べ方ならば、圧力で砕けるでしょうしね。

 

 

と、ここら辺で喉の痛みが限界になってきました。とんでもない思考スピードで推理をしていましたが、喉には硬い何かが刺さったままなのです。

 

喉に何かがつっかえた時は「ご飯を丸飲みしろ」。おばあちゃんの知恵袋のベストアルバム「OBAA GREATEST HITS」があるとすれば必ず収録されるであろう名曲(?)です。

 

まぁ、まだ喉の痛みの原因は掴めていないが「ご飯」が犯人の確率はまずない。例えて言うならこのご飯は名探偵コナンで言う所の「園子」だし、金田一で言う所の「剣持のおっさん」です。最初から容疑者枠から外れているパターンのやつです。ご飯が硬くないのは周知の事実だし、硬くなっても米粒のサイズが喉に引っかかるなんてことはない。つまりこの丸飲みは安全である。とりあえず丸飲みしてこの痛みを回避した後でゆっくり推理をすればいい。

 

そこまで思考をめぐらせ、僕は再度ご飯を丸飲みしました。

 

そして再度、激痛を覚え、己のミスと一連の事件の犯人に気づきました。

 

 

 

僕「犯人は……ご飯だった」

 

 

 

そう。まさかの安全圏にいたはずのご飯が犯人だったのです。「園子」や「剣持のおっさん」が実は黒幕という読者もたまげて二度読みする最終回近いパターンの事件だったのです。

 

しかし、ご飯は犯人にはなり得なかったはず。それが一体、なぜ犯人になるのか。

 

僕は喉に力を込め「カァァッ」と詰まったものを吐き出しました。足の小指の爪くらいのサイズのガチガチに硬いもの。これは魚の骨です。

 

そう、もう言わずもがなですね。

 

今日の弁当のご飯は鯛飯だったのです。

 

鯛飯の中にゴロゴロと骨の塊が混入しまくっていたのです。スーパーの惣菜なら部屋着で駆けて行ってクレームつけるレベルに入っていました。31アイスクリームの「ポッピングシャワー」に入っているシュワシュワするやつくらい入っていました。

 

犯人は鯛飯。そこまでは突き止めた名探偵MOMO。しかしこれで事件は終わりではない。この事件の裏には大きな黒幕がいる。

 

家に帰って僕は意を決して今日の一連の事件を告げました。最愛の嫁に向かってです。

 

考えたくはありませんが、食事にヒ素やトリカブトを混入させ夫を毒殺する事件が現実にありました。ミステリーでもよく見かけます。

 

そういった食事に毒を混入させるパターンは見たことがありますが、まさか口内をダイレクトアタックしてくるパターンの混入させ方があるとは。しかしこれも明確な殺意には変わりありません。「見て見ぬ振りをすればいい」そういった考えの方もいるのかもしれません。

 

しかし僕は夫婦である以上、内面を押し殺して生活する必要はないと思っています。多少の我慢は必要かもしれませんが、言いたいことはお互いに言うべきです。こんな陰湿な攻撃をされては今後、怖くてご飯を丸飲みすることができないじゃありませんか。だから僕は勇気を振り絞って問いただしました。

 

 

僕「犯人は……君やな?」

 

 

夕食を作りながらこちらに目も向けずに聞いていた嫁が、そこまで聞いて初めてこちらを向きました。般若の形相でした。

 

 

嫁「文句があるなら、もう食べんでいいよ」

 

 

………

 

 

 

一瞬の沈黙、視線の交わし合い。

そして僕は口を開きました。

 

 

僕「変なこと言ってどうもすいませんでした!!!!弁当いつもありがとうございます!!!!これからもどうかよろしくお願い申し上げます!!!!この度は誠に申し訳ございませんでした!!!!」

 

 

電光石火の謝罪でした。

 

 

夫の威厳?

男としてのプライド?

家長としての尊厳?

 

そんなもんねえよ。毎日カップ麺なんて量も足りないし、体にも悪い。毎日外にランチ行くなんて金もない。だったら弁当しかないでしょう!!?弁当作ってもらえるだけありがたいんですわ!!!

 

日々、誰かにしてもらっていることを当たり前だと思ってはいけません。ジョージ・高橋氏も「なんでもないようなことが(以下略)」と歌っていましたよね。常に感謝の気持ちを持ち続けることが大事なんです。ただ、ご飯を丸飲みする恐怖だけは僕の心の中に影を落とし続けています。

 

 

いかがでしたでしょうか?「名探偵MOMO 弁当箱の中の殺意」。コナンの映画版のストーリーとして利用したい映画関係者の方はぜひ、ご一報ください。

 

そして英語でいうと「弁当箱の中の殺意」は「メーデュラス・エンテンション・エン・ザ・ランチベックス(英語発音風)」クリストファー・ノーラン監督。この記事を見てたら映画化検討してください。よろしくお願いいたします。

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