視力と頭が悪いやつに野球はマジで無理なんだって

思い出
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おはようございます。百井桃太です。

 

先日、僕の野球部所属時代の思い出について記事を書きました。

 

思い出すだけで涙が止まらない感動ビンタTOP3
おはようございます。百井桃太です。 突然ですが、最近マコなり社長という経営者のyoutuberの方にはまっています。 なかなか有益な情報をまとめてくれるので楽しく見ているわけですが…… ...

 

今回はその野球部の別の思い出を一つ。

 

前回の記事にも書きましたが、僕は野球をやったことない状態で野球部に入部しました。というのも当時「パワプロクンポケット」という野球ゲームに大ハマりしていたからです。変化球投げたりホームラン打ったり楽しそうだなというどう考えても下調べが足りなさすぎる短絡的な考えで入部しました。

 

で入部をしたのですが、まず素人ということに加えて僕はゴリゴリに視力が悪く、俗に言う「瓶底メガネ」を掛けていました。そして掛けていてもあんまり世界全てが見えていませんでした。

 

当時はコンタクトなんて高価なものを買うという選択肢もなかったので、視力が悪いなりに、クソメガネなりに練習をしていたのですが、これがなかなかきつい。

 

まず何がきついかってね、野球はボールが小さすぎるんですよ。こまいんですよ。こんなんね、外野守れって言われて70メートルくらい離れたところから飛んできたって見えるわけないじゃないですか。

 

そしてね、あとボールのあの色よ。なんで白なん?「いや白って土の上だと見やすいでしょ」とか思いました?もうど素人炸裂の考えですよそれ。ノックの時とかね、カキーンってフライを打たれたら、空と重なった瞬間もう見えなくなるんですよ。大気と同化するんですよ。そしてフライはもう一度見失ったら終わりです。数秒後に20メートルくらい後ろにドーンと落ちて監督の雷もドーンです。

 

まぁそんなわけでそもそも目が悪いのは野球においてすごいハンデになるのですが、視力が問題となるのはボールにおいてのみじゃないんです。

 

さて、前置きが長くなってしまいましたが、これは近眼地域一で野球ど素人の僕が野球部に入って「野球ってまじムズイ(思考停止)」と思ったエピソードです。

 

 

あれはとある試合の日。

 

僕は言うまでもなく最下層選手だったので普段試合に出ることはありませんが、時々、補欠達が日頃の頑張りを労ってもらうお情け試合があるときだけ試合に出してもらっていました。

 

その日もたまたまお情け試合が組まれ、僕も出場できることに。

 

自分で言うのもなんですが、僕は下手くそながらそんな箸にも棒にもかからないクソド下手というわけではありません。肩も強い方でしたし、バッティングもパワーだけなら自信がありました。なので遂に打席が回ってきたとき僕は意気込んでいました。

 

僕「よし、相手ピッチャーも大したことなさそうだし、いっちょ長打でもかましてやっか」

 

そして打席に入り監督のサインを見ました。

 

ちょっとすみません、ここで少し話の腰を折りますけど。まずね、そもそもこの「サイン」ってのが僕の思い描いていた野球と違うとこなんですよね。野球と言ったらもう

 

好きな変化球ギューン!!!

フルスイングドーン!!!!

走りたいときにガーー!!!!

 

ってこんな感じだと思うじゃないですか。それが蓋を開けて見たらなんです?監督の指示に従わないといけなくて全然好き勝手できないんですよ!!!!!メジャーの茂野吾郎みたいに「へっ!」って言いながら好き勝手できるかと思ったら全然できないんですよ!!!!監督怖くてできないんですよ!!!!(当たり前)

 

話を戻しましょう。

監督のサインを見た僕は衝撃を受けました。

 

僕(は? バント?)

 

なんとなく監督のサインが「バント」に見えました。えっ?ノーアウトランナーなしで?つまりセーフティってこと?えっ?部随一の鈍足の僕にセーフティバントの指示?トチ狂ってんのか?

 

しかも年に数回しかないお情け試合の貴重な打席で「バント」させる?バントが得意技ならまだしもバント練習でバントした球を顔面に当てちゃうようなのび太もびっくりのノンフィクション無能野球少年に?こいつそんな血も涙もないの?

 

しかし僕は「そんなわけはない」と思いました。きっと試合に不慣れだから僕がサインを間違えたのだ。思った僕はメガネをくいくいあげつつ「あー見えなかったナー、さっきのサイン目が悪くて見えなかったナー」というアピールをしながら監督にワンモアサインをねだりました。ハム太郎のくしくし(デコを両手で掻き毟る例の動き)みたいな感じを意識しました。

 

無言でもう一度サインを出す監督。

 

やっぱりバントでは?

 

嘘だ。勘弁してくれよ。なんでこの貴重な打席をバント?野球の醍醐味と言えるバッティングでバント?

 

いや、これが夏の大会で僕がレギュラーならわかりますよ。相手の意表を突くセーフティバントで揺さぶりかけるとかさ。勝率を高めるためにどんな方法でも使うってのはわかるんですよ。

 

でもこれ思い出づくりのお情け試合やで?

 

こっちのチームは1年生でもないのにたかがお情け試合でガチガチに緊張して目の焦点が合ってないやつとか、内野フライすらも緊張して「わぁぁぁ」と言いながらエラーするようなやつとか、いわゆる野球の神から見放された悲しき人間達の集まりで、相手も明らかに試合慣れしてなくてガチガチの一年生とか今日別の部活から数合わせで連れてこられたんか?というような挙動がおかしい奴らばっかりです。こんな試合で意表突く必要あります?勝ちにこだわる必要あります?ないんですよ。だってこんな試合の勝敗なんて誰も気にしてないんですから。

 

とにかく僕はもう一度メガネをくいくいやりました。もはや何となくバントということはわかりましたが「勝負させてくれ!絶対に打ってみせるから!」という野球漫画にありがちな思いをメガネくいくいに精一杯込めました。中坊なりの精一杯の無言の抵抗でした。

 

監督「バントやコラ!!!!」

 

はい一蹴

 

何が「仏の顔も三度まで」だよ。監督は二回でブチ切れました。しかも「バントやコラ!!」と相手チーム全員に聞こえるレベルの大声で。やっぱり作戦もクソもねーじゃねーか。思いましたが、いうてもまだ下半身の毛の生え具合も道半ばな幼い僕なので、ここは諦めてバントに徹することにしました。

 

……いや待てよ。

ここでど素人野球人なりに僕は思いました。

 

敢えてツーストライクにしてしまえばバントのサインは撤回されるのでは、と。

(ツーストライクの状態でバントし、ファールゾーンに転がってしまうとその時点でアウトとなってしまう)

 

僕は早速、バントの構えをしてボールがきた瞬間にバットを引きました。

 

審判「ストライク!」

 

あっれぇ〜おかしいなぁ〜、今のはボール半個分ボールだと思ったんですけどねぇ〜というジェスチャーで首を傾げまくりました。(実際はその頃野球歴一年以上だったが、ストライクゾーンがどこからどこまでなのかもよくわかってなかった)その技を二回繰り返しツーストライクにしてしまうと、監督も流石にバントの指示を撤回。「好きに打て」というサインを出してくれました。

 

よーし、好き放題バット振り回しちゃうぞー!!!

 

の矢先のデッドボール

 

嘘でしょ。野球の神様は僕に何か積年の恨みがあるんですか?どうしても野球の楽しさを味わわせたくないんですか?野球という敷居から一刻も早く僕を追放しようとしているのですか?

 

とりあえず悲しんでも仕方がないので一塁に行きました。

 

野球をゲームでしかやってないときは知りませんでしたが、実際に野球をやってみるとこのランナーっていうのも死ぬほど緊張するんですよね。ちょっと気を抜いてると牽制球がくるし、バッターが打った時に変な当たりだと、走るか走らないかという判断を迫られるわけです。そして判断を誤ればアウトor得点のチャンスをフイにすることになり、それすなわちビンタです。

 

とりあえず気を引き締めていこう、と監督のサインを見たときでした。

 

え……盗塁……?

 

さっきも言いましたが僕は部内随一の鈍足の持ち主でした。それに盗塁?何?この試合で健気に練習を重ねてきた僕の心に野球に対するトラウマ植え付けようとしてます?

 

いや待て。僕は目が悪い。さっき腰を触ったような気がするが(腰を触ると盗塁)、もしかするとあれはベルトだったのかもしれない。盗塁じゃなかったのかもしれない。そうだ、きっとそうに違いない。

 

そう思って僕は微動だにせず、ピッチャーが投げるのを見送りました。

 

審判「ストライク!」

 

この瞬間に明らかにおかしな雰囲気が場を流れました。バッターのやつが明らかにこっちを見ています。いやバッターだけじゃありません。監督もベンチの奴らもです。

 

ちょ、待ってーな。ぼく、なんかしました? みたいなとぼけ顔をしていると、また次のサインが出されました。えっ、もしかしてさっき盗塁のサイン出してたん?テンパリまくった僕はまたメガネをくくいくいくいとあげて監督にアピールしました。「もっと身振り手振り大きくやってくれないと、近眼の僕ではサインを把握することができませんよーだ。だって僕、ほらメガネじゃないですか。目が悪いんで、ほら、メガネですメガネ」という思いを込めました。

 

監督「盗塁やコラ!!!!走るんやコラ!!!!」

 

いや言うなって

 

いや、これに関してはどれだけサインを出してもメガネをくいくいするだけだった僕が悪いのかもしれませんね。でもそんな大声で言わなくてもいいじゃん。だって相手バッテリーもう次盗塁くるのわかるじゃん?

 

結局相手チームのバッテリーがお粗末すぎて、盗塁は成功したのですがこの試合を通して僕の心には野球トラウマが植え付けられました。「サインむずい」「監督の思考むずい」「目悪いと全部むずい」のトラウマ三拍子です。

 

お情け試合だったのでビンタは喰らわずにすみましたが、この一件から僕は「パワプロやってる方が全然おもしれえじゃん」となったのです。

 

ちなみにこのブログを読んでくれているメガネの野球少年がいたら、気にすることはありません。プロ野球選手にも古田というメガネ界の星がいましたので、メガネ=無理とはなりません。(プロ野球選手のチョイスが時代感じさせるね)あとさっき僕は健気に練習していたと言いましたが、夏休みは練習がきつすぎて「歯医者の治療が長引いてまして……」という嘘で小刻みに計10日間くらいサボってました。因果応報じゃねーか。

 

ていうか

 

野球実際にやってサインがわからなくてトラウマになった野球少年僕以外にいます?

 

激レアさんを連れてきたのディレクターの方、「監督のサインがわからずにサインを声に出して伝えられた激レアさん」が欲しければご連絡ください。

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